齢四十にしてビュッフェへ赴かんとす

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無類のビュッフェ好きである旦那が40歳になったので、
仕事終わりに"バイキング"発祥の地である
帝国ホテルの「インベリアルバイキング サール」に
寄ってみた。

もうさほど量も食べられないし、
今後は落ち着いて食事をしたいだろう、と考え
人生のビュッフェの食べ収めとして予約したのだった。

乾杯のドリンクメニューを渡すと旦那は
「(いろいろ食べたいから)要らない」という。

まるで試合に臨むプロ選手のよう。
「今夜は食べることに集中したいそうです」
と私が告げると、ウェイターはグラスに水を注ぎながら
「それがよろしいかと思います」とエールを送ってくれた。

私はビュッフェでは食べたいものしか食べないが、
旦那は礼儀とばかりに全てのメニューを少量ずつ試す。
そしていつも何か真剣に考えながら食べるので
あまり会話はない。
暇な私は大抵、古代ローマの貴族の
吐きながら食べ続ける宴会の様子を想像しながら、
自慢の地獄耳で近隣のテーブルの会話を聞いている。

(右隣は式場選び中の元キャバ嬢2人組、
左隣は投資セミナー企画者(女)と講師(男)で、
退屈はしのぐことができた。)

私はカリフラワーの冷製スープ、シーザーサラダ、
ローストビーフ、そしてイチゴのジェラートをおかわりした。
ピンク色のストロベリー味は大嫌いだが、
ここのはイチゴをそのまますり潰したであろう
赤を薄めた色で、
味もまさにイチゴだった。

旦那は後悔ないようにと食べ尽くした結果、
満腹で眠れず、
翌朝も気持ち悪いと後悔していた。

これで無事卒業できるといい。